漢方薬相談ブログ

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世界最古の薬「漢方薬」の正体

  1. 漢方薬の歴史
  2. 日本の漢方薬
  3. 漢方薬はなぜ治るのか?
  4. 漢方薬の独特の効果
  5. 漢方薬はどんな病気を治せるのか
  6. まとめ

漢方薬とはどういったものなのでしょうか?

最近は、飲まれている方も多くなったと思いますが、実はよくわからい薬と思われている方も多いのではないでしょうか。

実は、病院でもなんとなく使われていることが多く、処方している医者自身もマニュアルを見て出しているだけのことが多いので、漢方薬が何かがわかっていない先生も多いです。

今回は、そもそも漢方薬とは一体、何なのか、漢方薬の正体をお話ししたいと思います。

漢方薬は、生薬というもので作られています。

生薬というのは、木の根や葉、動物の脂肪や石などで、変わり種になるとゴキブリやタツノオトシゴなども生薬になります。

漢方薬とは、これらの生薬が、ある法則に則って組み合わされたものです。

生薬が、人参やじゃがいもなどの食材だとすると、漢方薬は、カレーなどの料理のメニューになったものだと例えられます。

漢方薬の歴史

漢方薬の歴史は、古く、紀元前(403年〜221年)頃に遡ります。

今から2400年前位に古代中国で黄帝内経という書物が書かれています。

黄帝内経には、人間の体内の臓器などの働きである生理、解剖、病気に至る前の過程である病理に、鍼灸術や養生法などが書かれています。

次いで紀元後(25年〜220年)、同時に薬物学である神農本草経という生薬や食べ物の性質や効果が書かれた書物もあります。

神農本草経には、365品目の薬物が記載され、薬物は、上薬、中薬、下薬と分けられて、上品は120品目で命を養い、長く服用しても害がないこと。

中薬は120品目で性を養い、使い方によって毒にも薬にもなるので、慎重に扱う事。

下薬は125品目で病気を治し、毒があるので、必要な時のみ用いることとされています。

2000年前に細かく分類分けされているのはすごいことですね。

現在では、化学薬品の有効成分的な考え方で、食べ物やサプリメントの効果を考えたりしますが、有効成分で良さそうであっても、漢方的にみた時に毎日、長く飲んではいけないものも結構あります。

例えば、ニンニクなどは、熱を発生させるため、大量に毎日、食べるものではないので、膨大な歴史の知恵である東洋医学から考えると、ニンニクのサプリメントなんて、続けるには向かないものになるのですね。

これは、過去には成分がわからなかったということとは関係なく、食べ物のもっている性質的にダメだというものです。

2400年前にすでに生理や病理、薬理がわかっていたというのは、驚異的ですが、よく考えてみたら、大昔から、人間自体は、目が3つになったわけでもなく、指が3本に減ったわけではなく、食べるものも、添加物たっぷりのおかしな食べ物も増えましたが、基本は自然の食べ物を食べていますので、現代でも漢方が通用するのは、おかしくはないなと思います。

その後の西暦200年頃に傷寒論や金匱要略という書物が書かれています。

傷寒論は、インフルエンザや腸チフスなどの悪性の感染性の病気の治療法法を記し、金匱要略は、それ以外の発熱を伴わない、色々な病気の治療方法が記されています。

現在、漢方薬は、西洋医学の病名や西洋医学的な症状を元に選ばれていますが、歴史からみればわかる通り、西洋医学と漢方には全く接点などありませんので、病名や症状から漢方薬を選ぶなんていう今の方法はデタラメなのですね。

2千年前には、すでに生理、病理、薬理、そして体質分析の方法は、すでに確立していたのです。

当たり前ですよね。でないと漢方薬を選べないので。

漢方の世界では、黄帝内経、神農本草経、傷寒論、金匱要略という書物が、漢方のバイブルとなります。

日本の漢方薬

日本の漢方の歴史としては、7世紀頃には、中国から伝わってきましたが、医学的な確立を果たしたのは、16世紀あたりで、この時代に中国医学というものから、日本の漢方である日本漢方というものが確立されてきました。

ちなみに漢方と呼んでいるものは、正式には中国医学というもので、日本から中国医学を見た時の医学の方法のことを「漢の方」、「漢方」と呼んでいます。

その後、中国では、文化大革命の際に一度、伝統的な中国医学が、潰されます。

そうして、一度、なくなった後に再度、作られることになります。

新たな中国医学は、学問として、素早く広く伝える必要あったため、学校においてわかりやすい漢方を目指しました。

その結果、実際の治療よりも理論が先行する学校漢方と揶揄されていたりします。

これが中医学と呼ばれるもので、現在の漢方薬局のほとんどは、この中医学を勉強しています。

漢方の世界では、昔から治療の考え方や体質の分析方法、使用する漢方薬の違いで、古方、日本漢方、中医学と大きく3派閥が存在しています。

一般的に症状や病名から選ぶ方法は、漢方の中には存在しない勝手に作られた方法となります。

僕は、中医学の先生である国際中医師ですが、中医学は理論倒れで治らないので今は、日本漢方を研究しています。

漢方薬はなぜ治るのか?

漢方薬を飲むとなぜ治るのでしょうか?

これを知るには、まず、「治る」とはどういうことかを考える必要があります。

一般的には、病院の薬を飲めば治ると思われていますが、病院の薬のほとんどは、対症療法といって、薬の化学的な成分が、症状を無理やり一定時間だけ抑えます。

病院のほとんどの薬は、こういった症状を一定時間だけ誤魔化すことが目的です。

一方、漢方薬は、体の働きをフォローします。

水の巡りが悪くなっていたら、水の巡りを促して、身体中を巡らせたり、いらない水をオシッコとして出したり、血が不足していたら、胃腸やホルモンを刺激して血を作りやすくしたりします。

何かの有効成分があるわけではなく、漢方薬ごとに、体を温めて水の巡りを巡らせて、気を補うとか、肝臓の不要な熱を冷やして、気を巡らせるなどの役割があります。

西洋医学は発達しましたが、結局、人間の体を根本的に治せるのは、人間の自然治癒力だけなのです。

漢方薬は、自然治癒力を正しい方向へ導き、その人の自然治癒力を高める。もしくは、全身を調整して、病気も症状もなかった正常な体の機能に戻す事がその役割なのです。

ですので、病院の薬のように漢方薬にどんな効果があるのかを考えても意味がありません。

病院の薬の場合は、どんな成分が、どんな効果で症状を無理やり抑えるのかを知っておかないといけませんが、漢方薬の場合は、自分の体の中の何の要素をフォローしてもらないといけないのかを考えないといけないのです。

例えば、頭痛には大きくは8つの原因がありますが、原因ごとにフォローしてくれる漢方薬が違ってきます。

水の巡りの悪さが原因であれば、五苓散は効くかもしれないですが、頭痛の原因が血の巡りの悪さの場合は、水の巡りを五苓散でフォローされたところで、血の巡りを関係ないので、五苓散で頭痛はいつまで経っても治らないのですね。

漢方薬で色々な病気が治るのは、体の中で自然治癒力が働けなくなった要素を手助けすることによって、自然治癒力がまともに働くようになり、健康な状態に戻っていくからなのですね。

漢方薬の独特の効果

漢方薬の効果は、自然界の法則と同じです。

例えば、夏の高温多湿は、のぼせたり、汗疹が出たり、頭痛がしたり、食欲がなくなったりします。

これをエアコンをかけて26℃くらいにすると、症状がなくなって、気持ちよい状態になりますね。

漢方では体の中でも自然界と同じようなことが起こっていると考えます。

ですので、不要な熱が滞っていれば、漢方薬で冷やしてちょうどよい温度にもっていき、逆に冷えていれば、漢方薬で体を温めて、これまたちょうど良い温度にもっていきます。

生薬には、いろいろな効果があることがわかっています。

温める効果、冷やす効果、湿度を乾燥させる効果、逆に潤す効果。

どれも単純に考えれば、冷えている人には、温める効果、乾燥していたら潤す効果で治します。

自分の体の中の状態と漢方薬の効果をピッタリと合わせれば、快適な環境となって、体は正しく働き、病気や症状は根本から治るのです。

病院の薬は、薬の有効成分で症状を無理やり一定時間だけ抑えるので、効果の有効時間が切れれば症状は、再発しますが、漢方薬は、体全体の環境を調整し、自然治癒力を調整するので、体質改善や根本治療になります。

日々の食事は、お腹を満たすだけが目的ではありません。

活動するエネルギーを得て、体を修復して、細胞を作り直し健康に生きていけるように、調整してくれています。

食べ物も漢方薬の生薬も同じ自然のものなので、結局、人間の体を根本から治すのは、自然のものなのです。

漢方薬はどんな病気を治せるのか

漢方薬は、その人の持っている自然治癒力を手助けし、正しく調整するので、基本的にはどんな病気にでも対応できます。

本来の漢方では、例え、頭痛という1つの症状でも、全身の状態を調整します。

例え、頭痛の原因がわからなくとも、体全体の問診をとって、全身の状態を分析すれば、今の体の状態の何が頭痛を起こしているのかがわかります。

ですので、怪我や遺伝的な原因でもない限りは、どんな病気でも治せるのですね。

何せ、自分自身の自然治癒力を漢方薬で高めて治すのですから、一番、自分に合っている治療になります。

まとめ

結局、自分の体を治せるのは、自分の自然治癒力なのですね。

西洋医学の手術もフォローしてくれるものですが、体内の働き全部の調整はできません。

あくまで、体の一部分をフォローしてくれるものとなります。

また、西洋医学の薬は、症状を一定時間、抑えるだけの効果なので、一時的なごかましにしかなりません。

治るためのフォローは一切、してくれません。

漢方薬は、体内全体のフォローを行い、健康な頃の正常な体内の働きに戻るようにフォローしてくれるものです。

長く飲んでいると楽器やスポーツを習うことと同じように、良い状態が定着して、根本治療となります。

人間の体は、結局は変わっていないので、食べ物と同じで、世界最古の薬は、今も変わらず、人間の体を治してくれるのですね。

当店では、人それぞれの体質を分析して、その人独自の原因に合わせて漢方薬をお選びします。

ご希望の方は、概要欄にネット相談や店頭相談の予約カレンダーを貼ってありますので、ご相談ください。

あなたの現在の体質や原因を判断して、治療方針をご提案いたします。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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