漢方薬相談ブログ

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八味丸の本来の効果と副作用

  1. 八味丸はどんな病気で使われるのか?
  2. 八味丸の本来の効果
  3. 八味丸の4つの効果と4つの問題
  4. 八味丸合う人の条件
  5. たくさんの漢方薬の中から絞り込む。

病院では、ツムラの7番でよく出されている八味丸。

「八味丸を飲み始めたけれど、夜中のオシッコは減っていない。これ本当に効いているの?」

こんな方は、結構、いるのではないのでしょうか?

確かに八味丸は、夜間頻尿や前立腺肥大の方に使うことがありますが、実はどんな人の夜間頻尿や前立腺肥大の方にでも効くというわけではありません。

「漢方薬は体質に合わせないといけない」という話は聞いたことがあるかと思います。

八味丸は、その効果と体質が合った時に初めて効果を発揮します。

夜間頻尿や前立腺肥大の状態で、なおかつ八味丸の持っている効果が合う体質であれば、抜群に効果を発揮しますが、八味丸の効果と自分自身の体質が合わなければ、夜間頻尿や前立腺肥大には全く効果がありません。

八味丸は夜中のオシッコを治す漢方薬ということではありません。

国際中医師で日本漢方家の松村です。

大阪であらゆる病気の漢方相談をさせてもらっています。

今回は、どんな体質の人やどんな状態であれば、八味丸が効くのか?

また、八味丸の本来の効果とはどんなもので、なぜ、その効果だと、夜間頻尿や前立腺肥大が治るのか、そして八味丸の副作用を解説したいと思います。

八味丸はどんな病気で使われるのか?

例えば、漢方薬の専門書に八味丸は、どんな病気が治せると書かれているでしょうか?

例として書かれているのは、慢性頭痛、喘息、貧血、乾癬、緑内障、尿路結石、下半身麻痺、脳卒中後後遺症、坐骨神経痛などです。

では、これらの病気の人に「かならず効くのか?」というとそうではありません。

漢方では、『これらの病気や症状に効く』というわけではなく、その前に『重要な条件』があります。

それは、『そもそも八味丸の持っている効果や条件とあなたの体質が合っているのか?』ということをクリアしないと、どの病気や症状にも効果がありません。

例えば、病院の薬で夜間頻尿で使われるデスモプレシンは、薬の成分が、強制的に腎臓での水分の再吸収を促して、オシッコとして出されるはずの水分を膀胱ではなく体に戻します。

これは、薬の化学成分が「強制的に強引にオシッコを少なくする」ということです。

その他にもミラベグロン、ビベグロンみたいな薬の成分が、強制的に膀胱をゆるめてオシッコを貯められるようにしたりするものもあります。

本来、夜間頻尿や前立腺肥大は、詳しくみていけば、人それぞれ原因が違ってきます。

しかし、病院の薬は、その人の原因や体質とは関係なく、薬の成分で強引にオシッコが出過ぎないようにもっていきますので、一人一人違っている、あなた自身の夜間頻尿の原因は無視することになります。

例えば、デスモプレシンは、あなたの夜間頻尿が、腎臓の水分の再吸収機能の低下が原因かどうかわからないけれど、とりあえず、無理やり再吸収させて膀胱のオシッコの量を減らします。

ここが漢方薬と決定的に違うところです。

八味丸には、病院の薬のような『強引にオシッコを少なくする成分』などは、ありません。

そもそも、僕が使っている専門書では、八味丸が使われる病気の中に貧血とか乾癬がありますが、この2つの病気のどっちにも効く成分なんてあるわけがありません。

例えば、病院の夜間頻尿の薬を貧血を治すためには使いませんよね。

では、八味丸は、なぜ、喘息にも使い、貧血にも使うことがあるのでしょうか?

それは、漢方薬は、本来、夜間頻尿や前立腺肥大などの病名や症状に合わせて選ぶのではなく、体全体の状態、つまり体質に合わせて選ぶからです。

病名や症状からみると、喘息と貧血に共通点はないですが、漢方の体質からみてみると、どちらにも共通している場合があるのです。

漢方の世界では、八味丸と夜間頻尿や前立腺肥大などの一部の症状や病名が一致するから、その漢方薬で治るのではなく、八味丸と自分の体質が一致していれば、夜間頻尿や前立腺肥大、更に喘息や貧血も治るので、病名や症状から漢方薬を選ぶことはありません。

本来の効果を引き出そうと思ったら、『八味丸の効果が合う体質かどうか』が重要になってきます。

八味丸の本来の効果

八味丸に、膀胱や前立腺に働きかける成分はありませんし、もちろん、貧血の治療に関係する鉄分が多いわけでもありません。

ましてや、喘息なんて、そもそも、夜間頻尿とどう関係しているのでしょうか?

八味丸の本来の効果は、効果1腎の虚証を補腎する。 効果2乾燥を潤す。 効果3喉から上の部分で滞っている気を降ろす。 効果4血を補う。です。

それでは1つずつ、効果を解説します。

効果1腎の虚証を補腎する。

漢方では、臓器自体が元気かどうかを見ます。

これは、腎臓が病気かどうかではなく、機能が強いか弱いかを見ます。

臓器機能の体力みる感じ。

腎臓が弱っている状態を「腎虚」といいます。

腎臓は、体中の水分の調整を行っていて、必要な水は身体中に巡らせて、不要な分は、オシッコとして捨てています。

腎虚になると腎臓自体が疲れて弱っているので、オシッコの調整がうまくいかなくなって、夜中にオシッコが増えたりします。

補腎というのは、腎臓が活発に働けるように腎気というものを補って、腎臓の機能を元気にします。

次に効果2乾燥を潤す。

乾燥した状態を潤す効果があります。

ですので、八味丸が治せる病名の中に乾癬があったのですね。

注意いただきたいのは、乾癬に八味丸が効くのではなく、八味丸の4つの効果を合致するかどうかで考えます。

効果3喉から上の部分で滞っている気を降ろす。

これは気が喉から上の頭に滞っている状態を指します。

気が滞ると頭痛、のぼせ、呼吸困難のきっかけなどになり、1の効果の腎臓が弱い状態で水の巡りが悪くなっている状態に気の滞りが合わさると、激しい咳、つまり喘息などになるのです。

効果4血を補う。

血を増やす効果があります。

これらの4つの効果が、八味丸の本来の効果となります。

ここで1つ大きく誤解されることがあります。

それは、4つの効果のうち、どれかが自分に当てはまれば良いという誤解。

この表をを見た時に気の上衝に呼吸困難があるから、喘息に使えるかというと、使えません。

なぜなら、漢方薬は、病院の薬と違って、症状を抑えることが目的ではないからです。

つまり、この表の中の症状のどれかが当てはまれば、八味丸が効くのではなく、例えば、喘息の人なら、4つの効果が必要な体なら、喘息にも効果があるという感じ。

漢方薬は全身の状態、つまり体質を整えて、結果的に喘息を治すので、大前提として、この4つの効果が全部必要な体なのかどうか?を調べていきます。

ざっくりと言えば、これらの症状が、ほぼ全部あてはまる体なのかどうかが、八味丸が合うかどうかにかかってきます。

更年期の時期で、のぼせと夜間頻尿があるけれど、その他の乾燥状態などがないのであれば、八味丸 の条件からズレるので、あなたの、のぼせに効果はありません。

他の八味丸以外の漢方薬を探す必要があります。

八味丸の4つの効果と4つの問題

八味丸の4つの効果が、あなたの原因とピッタリ合うとは限りません。

例えば、夜間頻尿の原因が、腎臓機能の弱りである腎虚と関係なく、自律神経と、冷えが原因の人もいます。

当然、自律神経が関係している場合は、八味丸の腎臓機能を強化する効果は、何の関係もないので、八味丸を飲んでも夜間頻尿は、一向に治りません。

なぜなら原因と効果が全く合っていないからです。

漢方薬は、病名や症状を当てはめる前に、自分の体全体の状態と八味丸の持っている4つの効果全部がピッタリと合わないといけないのです。

夜間頻尿や前立腺肥大も喘息や貧血のどれにも効くのではなく、その原因が、八味丸の持っている腎臓の弱り、乾燥、気の滞り、血の不足の4つの組み合わせから起こっているのかどうかが、漢方薬を選ぶ際には、ポイントになります。

そして、それ以外にも八味丸があなたに合うのかどうかの条件があります。

八味丸合う人の条件

漢方薬は、効果を合わせるだけでなく、他にも病気の患ってきた時間と合わせたり、脈の状態、舌の状態、あなたの現在の体力の状態も合わせる必要があります。

漢方薬には、病位という、「病気になってから、どれくらいの時期に使えるのか」という条件があります。

八味丸は、太陰病といって、病気を患ってから、かなり時間が経ってしまった人に慢性に使うものです。

これは、八味丸の効果が合う症状が1、2年以上、続いている。みたいな人に合います。

次にどれくらいの体力の人に使ってもいい漢方薬なのか?という条件がありますが、これは虚証といって、かなり体力のない人に使うという条件になっています。

わかりやすくいうと八味丸は年寄り専用の漢方薬といってもいいものです。

次に脈は軟やや弱といって、脈をとった時に柔らかくて弱い脈になっている人に使います。

舌の状態は、湿りすぎているわけでもなく、乾燥しているわけでもない普通で、舌の上に少しだけ白い苔がついています。

まずは、これらの条件全部と八味丸の効果が自分の体質とピッタリと合えば、夜間頻尿や前立腺肥大 、喘息や貧血にも効果があります。

よくある勘違いですが、漢方薬に書いてあるいくつかの症状が合うから、この漢方薬が合っている。というのは、大きな誤解です。

漢方薬に書いてある症状から体質を分析して、その他の条件も全て合致するかを確認し、何かの条件が合わないなら、全ての条件が合う、他の漢方薬を探すことが必要です。

漢方薬は、何百種類もあるので、自分の体質の条件に合うものはあるはずなのです。

漢方薬の副作用は、実は単純で漢方薬の条件と自分の体質が合わないものを飲むと発生します。

ですので、症状だけで漢方薬を選ぶというのは、副作用の可能性の方が遥かに高くなります。

たくさんの漢方薬の中から絞り込む。

漢方薬は、自分のあてはまる症状に効くというわけではありません。

全身の症状、状態を全て分析した時に1腎臓が弱っている。2乾燥している。3喉から上の部分の気が滞っている。4血が不足している。という4つの体の状態である。ということと、病気の患った時間が長く、体力がなく、高齢で、舌は普通の状態で少し白い苔がある。という全ての条件を満たした時に_夜間頻尿や前立腺肥大に効果があります。

どれかの条件が外れるならば、夜間頻尿や前立腺肥大に全く効果はありません。

全身の状態をみた時に八味丸の条件にプラスマイナスして、めまいや月経の不調があったり、手足の冷えがなかったりと人それぞれ、微妙に色々な要素が変わってくるのですが、その場合は、八味丸が合う条件からズレますので、他の条件の漢方薬を探す必要があります。

八味丸で治そうと思ったら、自分の体全体が八味丸の条件と合っていないといけないのです。

ですので、漢方薬で治療するには、『八味丸の効果が何か?』以前にまず、自分の体質がどんな体質なのか?を分析する必要があります。

『特に特別な問診もなく医者に八味丸を出してもらった』

『夜間頻尿や前立腺肥大の人が八味丸で良くなった。と紹介されていた』

『ネットやAI、動画で八味丸は、夜間頻尿や前立腺肥大に効く』と漠然と解説されていた。

こんな漢方薬の選び方で効果があるわけがありません。

自分の体質は八味丸と合うのか?

八味丸の条件と自分の体が合うかどうかを調べるためには、6つの東洋医学の体質分析理論を使って調べます。

かつて皇帝の体を調整していた漢方薬が、病名や症状だけを当てはめて選んで治るような、そんな単純で低レベルな医学なわけがないのですね。

当店では、人それぞれの体質を分析して、その人独自の原因に合わせて漢方薬をお選びします。

「漢方薬を飲んでいるけど効果がよくわからない」「漢方薬で体質改善をしたいけれど本当にできるの?」と思っている方は、概要欄にネット相談や店頭相談の予約カレンダーを貼ってありますので、ご相談ください。

あなたの現在の体質や原因を判断して、治療方針をご提案いたします。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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